Surface Laptop Goレビュー Microsoft謹製最高のWindowsラップトップだが、コストパフォーマンスの改善を希望する。

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Surface Laptop Goは2020年に発売された、Microsoft謹製のノートPCだ。

特徴はWindowsPCのなかでも優れたデザインと、個々のパーツ品質が高い点。ただし、CPUはインテルの第10世代CPUと2021年現在からするとやや価格に対して性能が低い点が気になる。持ち運びを重視したユーザー向けの製品と考えていいだろう。

※本レビューで検証された製品はメーカーからの貸出機です。

スペック

Surface Laptop Go スペック
モニター
  • 12.4型(1536×1024ドット)
CPU
  • Intel Core i5 1035G1
iGPU
  • Intel UHD Graphics
メモリ
  • 8GB
SSD
  • 256GB
サイズ(幅×奥行×厚さ)幅約278mm×奥行き約205mm×高さ約15mm
バッテリー持続時間
充電タイプSurface Connetor/USB-C
重量約1.1kg
保証1年間ハードウェア保証

日本マイクロソフトはSurface用の延長保証のMicrosoft Complete補償プランを追加で購入すると最大4年の延長保証として利用できる。

このMicrosoft Complete補償プランは偶発的な損傷に対する補償つきなので、外で頻繁にPCを使うユーザーなら選んでおきたい。また、この補償があるからSurfaceを選択する人も多いため、検討材料にしていほしい。

Surface Laptop Go

公式サイトで確認

なお、価格や仕様は変更となる恐れがあるため必ず公式ページにて確認を。

Surface Laptop Goの特徴

所有欲を満たす洗練されたデザイン

Surface Laptop Goは天面がアルミニウム合金で、ベースの素材には樹脂素材も用いられる。一般的なノートPCよりも質感が高くなり、10万円前後のPCのなかでは非常に完成度の高い製品だと感じられた。

Surface Laptop Goは12.4型のサイズ、かつ、3:2の画面縦横比(アスペクト比)なので一般的なワイド型の16:9のディスプレイよりもコンパクトで画面は見やすいのが特徴的。

ウェブブラウジングやプログラミングなどで作業を外で行いたいユーザーは、Surface Laptop Goはおすすめ。

インテル第10世代CPU、性能は控えめでライトな作業向け

Surface Laptop Goはインテル第10世代CPU Core i5 1035G1プロセッサを搭載してる。このCPUは4コア8スレッドでIntel UHD Graphicsが内蔵グラフィックスとして存在する。

2021年現在ではインテル第11世代CPUが搭載されたノートPCが市場で多く販売されているため、第10世代CPUを選ぶメリットはあまりないようにも思える。繰り返しになるが、総合的な完成度や前述の保証などでSurface Laptop Goを購入するか検討してほしい。

デザイン、使い勝手

アルミニウム合金を採用した天板にはMicrosoftのロゴがプリントされており、シンプルで高級感がある。

冷たい金属素材の印象を受けるが、四隅は丸く加工されており、ユーザーフレンドリーな設計だ。

キーボード側の上側も同様のカラー、手触り。

Surface Laptop GoはSurface Laptopの廉価グレードモデルとして販売されているが、質感はSurface Laptopと同等クラスだと感じる。

Surface Laptop Goのポイントは横から見た時の統一感だろう。キーボードのキートップがアクセントカラーで、ディスプレイ、ボディ本体の薄さも相まって、上質な印象を与える。仕事でノートPCを持ち運ぶのであればこれほど適したノートPCはなかなかない。

Surface Laptop Goのデザインの完成度は非常に高いと思う。

底面は樹脂素材が多く使われているが、カラーリングがゴム足のシンプルデザインがゆえに、樹脂ということがほとんどきにならない。

Surface Laptop GoはてっぺんからつまさきまでSurfaceだった。

インターフェース

左側面

  • USB-A
  • USB=C
  • 3.5mmヘッドフォンジャック

右側面

  • Surface Connectポート

メーカーでは公表していないが、USB-Cポート化から充電も可能。

手持ちの65W出力の充電器を接続してみたところ、30Wほどで出力されていた。30W出力の充電器でも試したが、同様の結果を得られたので、コンパクトな充電器を用意すれば、下記のような純正のSurface Connect充電器を持ち運ばなくても済む。

充電器は、小型PCに付属するACアダプターと同様のサイズ。

キーボード・タッチパッド

キーボードはテンキー非搭載で、筐体ギリギリまでの枠を使って設置されている。

キーボードのうち味は上位のSurface Laptopのようなはっきりとわかるクリック感はないが、推しやすさは感じられる。タッチパッドは程よい反発力のある感触で、操作性は非常に高い。

ディスプレイについて

Surface Laptop Goは12.4型でフルHDより広い解像度。パネルは映像を確認する際などは鮮やかに見えるグレアタイプだが、作業時には反射が気になる。

MicrosoftのPixelSenseディスプレイで10点マルチタッチに対応する。しかし、開閉角度には上記画像のように限りがあるので、あまり使わないかもしれない。

性能について

今回の検証機はSurface Laptop Goの一番上のグレードで、インテル第10世代CPU インテル Core i5 1035G1プロセッサを搭載

計測は電源接続をした状態で、電源をバランス、最も高いパフォーマンスに設定した状態で測定。

Cinebench R20

Cinebench R20はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り

 

Cinebench R20の総合スコア

Ryzen 9 5900HX
5177pts
Core i9 10980HK
4132pts
Ryzen 9 4900HS
4040pts 
Core i7 10875H
4037pts
Ryzen 7 4800H
3823pts
Ryzen 5 4600H(TUF Gaming)
3143pts
Ryzen 5 4600H
3021pts
Core i7 10750H
3053pts
Core i7 11370H
2755pts
m-Book K700 Core i7 9750H
2643pts
HP ENVY X360 13 Ryzen 7 4700U
2437pts
HP ENVY x360 15Ryzen 5 4500U
2270pts
Core i5 10300H
1941pts
ThinkPad E14 Gen 2(AMD)
1604pts
Prestige 15 Core i7 10710U
1587pts
mouse X5 (Core i7 10510UI)
1534pts
ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U)
1333pts
ThinkPad X390(Core i7 8565U)
1245pts
Core i5 1035G1(レビュー機)
1211pts

マルチスレッド性能は1211ptsで直近1年で計測した中で最も低いスコアになった。Surface Laptop Goは性能よりも総合力で勝負とはいったものの、さすがに2021年現在では見劣りしてしまうかもしれない。シングルスレッド性能は341pts。

簡単が画像編集くらいなら許容範囲なスコアだ。

PCMARK 10

FutureMarkが提供するPCMARK 10は、MicrosoftOfficeのWord、Excelに類する互換ソフトウェアや、ビデオ通話会議ソフト、画像編集ソフトのバッジファイルを実際に動作させ、どの程度の快適性があるかをスコア化。提供元はおおむね4000点以上あれば快適としている。

結果は総合スコアが3253で一般的なタスクを行う上では非常に快適という結果に。クリエイティブなタスク以外は快適な水準で行える。

PCの温度やファンの駆動音

OCCTv7.3.0は、CPU使用率を100%にできるソフトウェアで検証用などで用いられる。このソフトウェア使用中のPCの内部温度や表面温度ファンの動作音を測定した。

CPU温度

開始直後から、CPUの温度が最大になり、その後徐々に動作周波数の低下がみられた、

最低で900MHzほどまで低下。ベンチマーク結果が低いのはサーマルスロットリング(温度上昇によるパフォーマンスの低下)が発生していたからだと思われる。

PC表面の温度

また、この時のPC表面温度は中心部で35.3℃程度。Surface Laptop GoはSurface Laptopよりもサイズが小さい分排熱が苦しそうではあるが、ユーザビリティは確保されてる。

ファンの駆動音

ファンの動作音は最大で約46.1db程度。高い負荷をかけると、内部のファンが回り高めの音が鳴る。騒音レベルで携帯時にはストレスを感じるかもしれない。モバイル用であれは43db以下が一般的なのでややうるさい水準だと思う。

Surface Laptop Goの評価とまとめ

良い点

  • Surfaceシリーズらしい質感の高い素材、デザインはそのままに所有欲を満たせる

気になった点

  • ピーク時のファンの動作音
  • 2021年現在では性能が低い
  • サーマルスロットリングの挙動

ライトな作業を行いたいユーザー・サブノートPCにおすすめ

Surfaceシリーズの良さを取り入れつつ、10万円前後で購入できる点はすばらしい。しかしながら、2021年現在、Surface Laptop Goよりも高性能で低価格なマシンがたくさんあるため、デザイン性やアクセサリーなど、すでにSurfaceシリーズに慣れ親しんだユーザー以外におすすめしづらい。

検証結果で得られた通り、性能はあまり高くなく、サーマルスロットリングも確認されたためクリエイティブなタスクも快適水準とはいえないだろう。

プログラミングやウェブライティング、MicrosoftOfficeなど、キーボードに向かって作業する人用のPCとしてはアリだが、価格が10万円を超えてくるため、やはり贅沢だ。

Surface Laptop Go

公式サイトで確認

なお、価格や仕様は変更となる恐れがあるため必ず公式ページにて確認を。

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