Inspiron 14 5000(5415)レビュー キーボードが強化され使いやすいコスパ最高のノートPCに

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Dell Inspiron 14 5415は人気のInspiron 14 5000シリーズの最新モデル、新色のピーチダストカラーが選択可能で、低価格ながら高級感をアップさせた高コスパな14型ノートPC。

搭載CPUはAMD Ryzen 5 5500Uから選択可能でデザイン・パフォーマンスともに申し分なし。

今回筆者が購入した検証機で使い勝手やベンチマーク結果を紹介していく。

スペック

 Inspiron 14 5000(5415)(2021年モデル)
モニター
  • 14型(1920×1080ドット)
CPU
  • Ryzen 5 5500U
iGPU
  • Radeon Graphics
メモリ
  • 8GB
SSD
  • 256GB (NVMe)
サイズ(幅×奥行×厚さ)幅321.27mm×奥行き212.80mm×高さ17.02.mm
バッテリー持続時間-/54WHr
充電タイプDCジャック/USB-C
重量約1.44kg
保証1年間メーカー保証・引き取り修理

インターフェース規格など仕様詳細は商品ページの『仕様詳細』よりご確認いただけます。

Inspiron 14 5415はバッテリー容量の増加に伴い重量が100gほど増えている。

納期について

注文日は4月14日で自宅に届いたのは4月28日なので2週間で届きました。

新モデルということもありパーツの在庫に余裕があるのかもしれません。

特徴

動画レビューも是非

圧倒的価格の安さ

Inspiron 14 5000 シリーズは、大手価格比較サイト「価格.com」にて常に人気・売れ筋1位を獲得するほどで、超が付くほど人気のシリーズ。

理由は単純明快でコストパフォーマンスが高いから。価格が他社より安いのにそこそこの品質と高い性能が手に入るため非常に人気だ。

筆者はこのをPC税込み送料込みで71,529円で購入しているが、セール時には6万円台後半で購入できることもあるため、とにかく安く手に入れたい場合は、細かくセールをチェックしよう。

デルでは初期不良を恐れて購入をためらうユーザーも少なくはないが、外資系メーカーらしく10日以内だったら自由に返品可能なのでハズレを引いたらすぐに返品すれば問題なし。

新色追加で高級感アップ

Inspiron 14 5415は従来のプラチナシルバーのほか、ピーチダストカラーが選択可能。ウェブサイトを見る限りでは「デルやっちまったな」感があったのだが、手元に届いてみると納得。

カッパーカラーと外装に使われているはめ込み型のアルミシャーシの効果で見た目の質が高くなっていると感じた。

筆者は昨年モデルもレビューしているが、細かい箇所で見られた「頼りなさ」がなくなり全体的な質感がアップしている感じもある。

Ryzen 5 5500Uでマルチスレッド性能が向上

今回購入したInspiron 14 5415はAMDのRyzen 5 5500Uプロセッサを搭載したモデルを購入した。

今回購入したRyzen 5 5500UはZen2アーキテクチャで4000番台に搭載されていたモデルと体感的な性能差がでづらいが、4000番台のRyzen 5 4500Uプロセッサは6コア6スレッドで新しいRyzen 5 5500Uは6コア12スレッドで複数の作業を別々に処理をさせた際の快適性が向上している。

また、インテルモデルを選択すると第11世代Core i5 11300Hモデルも選択可能だがインテルCPUは4コアなので、標準的な使い方を想定してPCを選ぶのであれば、Ryzenプロセッサのほうが有利だ。

デザインや使い勝手について

Inspiron 14 5000シリーズが売れ筋になる理由は価格と性能のバランスだけでなく、デザインをそれっぽく仕上げているから。

今回のピーチダストカラーは天板側が明るい銅色といった感じで性別を選ばず使えそうな感じ。

本体側は色が濃く、トーンダウンさせ色合いのコントラストが高級感を表現している。

ボディ本体は樹脂素材とアルミシャーシの混合で目につく部分はアルミ、目立たない箇所は樹脂素材を採用し、コストカット。

本体のキーボード面をリフトアップさせるヒンジも健在で低価格ながら利便性と性能に対するアプローチも忘れてはいけない。

キーボード上部には排熱用の穴もしっかりと開いている。

ぱっと見10万円オーバーの質感を再現している点が非常に素晴らしい。低価格でノートPCを買いたいけれどデザインもオシャレなPCが欲しい人におすすめだ。

キーボードについて

感心したのはキーボードで、前モデルInspiron 14 5405よりも使い勝手が大幅に向上。

筐体に対してキーボードの割合が大きくとられたため、かなり改良された感じだ。

エンターキーと矢印キーの大型化で超使いやすくなった

前モデルからの大きな変化は

  • エンターキーの大型化
  • pg up pg dnが廃止され矢印キーに統合

これにより、配列は特殊だが、日本人になじみやすいキーボードに進化した。もちろん、XPSなどに採用される日本語キーボードのような自然さはないが、低価格モデルで高い完成度のキーボードになったため、プロセッサの性能は抜きにしてもおすすめモデルになってしまった。

うち味良好なキーに変更された

また、前モデルで少し残念だった樹脂製即徳のぺちぺちキーボードではなくなり、キーストロークは浅めだが、しっかりと打ち込めるキーボードに変更されている。

タッチパッドはフチにダイヤモンドカットが施され高級感のある作り、ボタンは浅めで好みは分かれそうだが格安モデルとしての完成度は非常に高い。

Inspirion 14 5415は細かいパーツのアップグレードが施され、「低価格で妥協モデル」から「低価格なのに使い勝手の良いおすすめノートPC」になった感じだ。

モニターについて

ノングレアタイプのパネルを採用したInspiron 14 5415はMicrosoftOfficeなどを用いた作業やプログラミングなど、PCと向き合って作業に最適なモニター。

色合いは自然で黄ばみなどは感じられない。

色域・トーンカーブ

キャリブレーションツールによるトーンカーブの測定結果。明るい箇所では全体的に強めに調整されているが、前述の通り色合いは自然だと感じた。

測定したプロファイルを使って色域を検証したところ、sRGBカバー率は63%ほどだった。

色域は標準的な作業に適しており、クリエイターには不向き。ただ、肉眼では色むらなどは感じられず視野角の広いパネルなので、コンテンツ制作者でなければ特に問題はない。

インターフェースについて

左側面

  • DCジャック
  • HDMI
  • USB-A (3.2 Gen1)
  • USB-C (3.2 Gen1)

右側面

  • microSDカードスロット
  • USB-A (3.2 Gen1)
  • オーディオコンボジャック

電源は65W出力のアダプターでコンパクトだが、DCジャックに対してまっすぐ差し込むタイプなのででっぱりがきになるかもしれない。これはデルの低価格モデル特有のもので、内部で電源が折れたりすると、電源が付くなくなる原因にもなりかねない。

この点は早く解消してほしい。

ただし、搭載されているUSB-CはUSB-PDに対応。

60W出力のACアダプターから給電させたところ、45Wほどで充電されていた。DCジャックを持ち運ぶのが面倒という方は60W以上の出力のアダプターがあるとスマホの充電だけでなくノートPCの充電もできるためおすすめだ。

USB-Cは3.2 Gen1なので高速なデータ転送ではない代わりに、映像出力可能なDPの役割とUSB-PDを担う。

性能について

Cinebench R20

Cinebench R20はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り

 

Cinebench R20の総合スコア

Ryzen 9 5900HX
5177pts
Core i9 10980HK
4132pts
Ryzen 9 4900HS
4040pts 
Core i7 10875H
4037pts
Ryzen 7 4800H
3823pts
Ryzen 5 4600H(TUF Gaming)
3143pts
Ryzen 5 4600H
3021pts
Core i7 10750H
3053pts
Ryzen 5 5500U(レビュー機)
2841pts
Core i7 11370H
2755pts
m-Book K700 Core i7 9750H
2643pts
mouse K5
2524pts
HP ENVY X360 13 Ryzen 7 4700U
2437pts
Core i7 1165G7(HP ENVY 14)
2419pts
HP ENVY x360 15Ryzen 5 4500U
2270pts
Core i5 10300H
1941pts
ThinkPad E14 Gen 2(AMD)
1604pts
Prestige 15 Core i7 10710U
1587pts
mouse X5 (Core i7 10510UI)
1534pts
ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U)
1333pts
ThinkPad X390(Core i7 8565U)
1245pts

マルチスレッド性能は2841ptsで、モバイルノートPCとしては非常に高性能。

シングルスレッドの性能は従来機とそん色ないが、総合スコアでは最新の第11世代Intel Core i7 11370Hプロセッサをしのぐ性能がある。

Cinebench R23

 

Cinebench R23の総合スコア

Ryzen 9 5900HX
13306pts
Ryzen 7 5800H
12651pts
Ryzen 9 5900HS
12058pts
M1
7372pts
Core i7 11370H
7135pts 
Ryzen 5 5500U(レビュー機)
6727pts
Core i7 1165G7
6594pts 

最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では6727ptsで、最新の高性能ゲーミングノートPCと比較すると不利な結果になった。

 

Cinebench R23のシングルスレッドスコア

Core i7 11370H
1520pts 
M1
1482pts
Core i7 1165G7(HP ENVY 14)
1469pts
Core i7 1165G7(XPS 13)
1448pts
Ryzen 7 5800H
1441pts
Ryzen 9 5900HS
1441pts
Ryzen 9 5900HX
1430pts
Ryzen 5 5500U(レビュー機)
1179pts

 

Cinebench R23には1度で性能を測定する方法とストレステストを含んだ測定方法があるが、弊サイトでは、1度の性能を計測している。

クリエイティブタスクの快適性に直結するシングルスレッド性能は1179ptsで、こちらも従来のRyzen 4000番台と同等クラスの水準だ。

PCMARK 10

FutureMarkが提供するPCMARK 10は、MicrosoftOfficeのWord、Excelに類する互換ソフトウェアや、ビデオ通話会議ソフト、画像編集ソフトのバッジファイルを実際に動作させ、どの程度の快適性があるかをスコア化。提供元はおおむね4000点以上あれば快適としている。

結果は総合スコアが3774でMicrosoftOffice互換ソフトやビデオ会議ソフトは快適水準だった。画像編集などのクリエイティブタスクの利用時もたつきを感じ可能性がある。

3D Mark Timespy

 

3D Mark Time Spy

ROG Flow X13(R9 GTX1650)
3427p
HP ENVY 14(GTX1650Ti)
3267p
Inspiron 14 5415(Radeon Gデュアルチャネル)
1327p
Inspiron 14 5415(Radeon G)
629p

3D Mark Timespyでは629ptで専用のGPUを搭載しているモデルよりも低いスコア。ノートPCに搭載されるRyzenプロセッサは搭載されているメモリがデュアルチャネル動作するとグラフィックス性能が大きく伸びるのが特徴的。とはいえ、デュアルでも専用グラフィックスには及ばない。

とはいえ、比較的軽量のMMORPGファイナルファンタジー14もデスクトップ品質で動作困難なため、ゲームのプレイ用にはおすすめしない。

メモリ増設するとグラフィックパフォーマンスが大幅アップ

後述するが、保証対象外になる覚悟でメモリを増設するとRyzenプロセッサはデュアルチャネル駆動でグラフィックスのパフォーマンスがアップする

これでやっと軽いゲームを起動できるレベルなのでゲーム用途ではやはりおすすめはしない。

がクリエイティブなタスクでは有効なので、サポート対象外になる覚悟があれば検討してみるのはあり。

Crystaldiskmark

検証機に搭載されていたSSDはSamsung製で非常に高速。シーケンシャルリードは3039MB/sとNVMeSSDとしては比較的高速。

ただし、大容量データを読み書きさせた際に書き込み速度が大きく低下しました。標準的な使い方であれば気にする必要はなさそうですが、クリエイティブなタスクにおいてネガティブに働く可能性があります。

Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証

過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。

Premiere ProCCは2021年4月28日時点の最新バージョンに更新、ハードウェアエンコーディングで実施しました。

  • XAVC S FHD24P(50Mbps)
  • 動画の長さ15分11秒
  • テロップ/カット編集/画像挿入あり
  • シーケンス設定は24fpsです。
機種24fpsの書出し時間
ROG Strix SCAR 172分13秒
ASUS TUF DASH F152分22秒
HP ENVY 14-eb(電源接続時)2分53秒
HP ENVY 14-eb(バッテリー動作)2分56秒
ROG Flow X13(バッテリー動作時)3分10秒
MacBookAir (M1)(ハードウェア)4分24秒
mouse K55分5秒
XPS 13(9310)6分25秒
mouse X5-R710分29秒
MacBook Air (M1)(ソフトウェア)10分46秒
mouse X5-R511分22秒
Inspiron 14 541527分03秒

弊ブログで毎度おなじみのYouTube動画の書出しでは、処理時間が27分03秒だった。

動画の編集がまるっきりできないということはないけれど、専用のGPUを搭載したモデルよりも書出し速度は遅く、編集時にもカクツキを感じる水準なので動画編集をする場合は別モデルを選んだほうが良いだろう。

Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証

Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。

LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおりです。

機種書出し時間
ROG Strix SCAR 171分26秒
ROG Flow X131分32秒
ASUS TUF DASH F151分41秒
XPS 13(9310)1分37秒
HP ENVY 14-eb(電源接続時)1分44秒
mouse K51分53秒
mouse X5-R71分57秒
MacBook Air(M1)1分58秒
mouse X4-R53分8秒
Inspiron 14 545155分53秒

RAW現像においても同様で、メモリの少なさが原因で書出しに5分53秒を要した。メモリを16GBに増設するか、16GB搭載のモデルを購入すれば、画像編集は快適に行えそうな性能。

PCの内部の温度、ファンの動作音

CPU温度

OCCTv8.1.1は、CPU使用率を100%にできるソフトウェアで検証用などで用いられる。

CPUの最大温度は瞬間的に87℃まで上昇するが、71℃程度で安定。

Inspiron 14 5415購入ユーザーがCPUをここまで酷使する作業を行うことはないと思うので問題ないと思う。

また、動作周波数は最低3.5Ghz程度まで低下したが、温度と同様、重たい作業を中心に行わない使い方であれば性能の低下に気が付かないレベルだと思う。

PC表面の温度

この時のPC表面温度は中心部で44.5℃程度。高温ではあるが、前述の通りInspiron 14 5415はクリエイターモデルやゲーミングノートPCと違ってCPUを100%にして行う作業はほとんどないはず。アイドル時は38℃程度で推移しているためPCの表面温度も問題はない。

ファンの駆動音

ファンの動作音は最大で約42db程度。作業中は比較的静かな音で作業可能だ。ただし図書館など静かな場所で使う場合は気になるかもしれない。この辺りは個人差によるところも大きい。ちなみに筆者は我慢できる。

PCケース内部・メモリの増設について

PCケースは精密ドライバーがあれば開封可能。デルのサポート対象外になる恐れがあるため、開封は自己責任で。

メモリの増設について

標準で搭載されていたメモリはSKhynixのDDR4-3200メモリが搭載されていた。

筆者は別のメモリを増設し、16GBで使用していく。メモリはおおわれているだけなので簡単に増設可能だ。

M.2SSD

M.2は2230規格のショートタイプが搭載されてたいた。

前述したSSDの読み書きでサーマルスロットリングの挙動が出ていたのはこの小さなサイズが原因かもしれない。

2280のタイプを差し込むことができそうなので、RAW現像や画像編集を行う人はメモリの増設やM.2SSDの変更で対応可能かもしれない。(コスパ的におすすめしないが)

Inspiron 14 5415の評価とまとめ

良い点

  • キーボード回りが使いやすい設計になった
  • キーボードが打ちやすくなった
  • 本体カラーの落ち着いた色合いと高級感が自然でとても良い
  • 前モデルの「どことなく感じる安っぽさ」を払しょくした
  • Ryzen 5000番台搭載で基本性能がアップ
  • 最新のCPUを搭載しているとは思えない低価格

気になった点

  • 電源はそろそろ変えてほしい
  • バッテリー容量増加のため重量が100gほど増えた

2021年もコスパ最高確定のモバイルノートPC

昨年モデルのInspiron 14 5405は、価格を重視した「消極的なおすすめ」だったが、Inspiron 14 5415はキーボード回りの設計を変更し、US配列ベースなのに日本人が使いやすいようになっているため、世間でいう「普通に使えるモバイルノートPC」にバチっとはまってきた感がある。

また、その名称から奇抜なカラーリングともとれるピーチダストカラーは、嫌みのない、無理のない落ち着いた高級感のある銅色で、とても気に入った。

本体は樹脂素材とアルミシャーシのミックスだが、カラーリングと相まってとても良くなった。

10万円以下でコストパフォーマンスの高いモバイルノートPCを求めるのであればInspiron 14 5415がおすすめだ。

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