【レビュー】DAIV-NG5800|ノート用RTX2060搭載のハイパフォーマンスノートPC

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マウスコンピュータ―のDAIVブランドから発売が開始された『DAIV-NG5800』はグラフィックスにRTX2060を採用した高性能ノートPCです。

今回のNG5800シリーズは液晶ディスプレイがsRGB比102%ほどなので、写真編集用として考えるよりも動画編集用として考えた方が良いです。

メーカーより実機がお借りできましたのでレビューさせていただきます。

DAIV-NG5800の特徴

動画で確認する


気になった点などを5分程度の動画にまとめました。僕の音声解説付きです。

GeForce RTX2060搭載

よく「動画編集にはグラフィックボードが必要です。だから高性能モデルを選びましょう」とネットなどで見かけますが、CPUパワーだけでもけっこういけちゃいます。

実は最近のCPUに搭載されているiGPU=CPUに最初からついてるGPUの性能が高いこともあり、YouTubeなどで見るフルHD画質の動画書出し速度はそれほど変わらないのです。

ところが“4K”(3840×2160ドット)となると話は別。

上記のCPU+iGPUで変換、書き出しすることをQSV。CPU+GeForce GPUを使った書き出しをNVENCといいます。

どちらもハードウェアエンコード(CPU以外の機器を使うから)といわれますが、4Kなどの大容量データーを扱ったり、長尺動画などで編集する動画の情報量が増えれば増えるほど、処理にかかる時間が大きく異なります。

今回は先にNG5800の検証結果を記載します。動画編集の検証内容は下記の通り

  • フルHD画質の動画をそれぞれの方法で書き出し
  • 4K画質の動画をそれぞれの方法で書き出し

上記からRTX2060の重要性を感じとっていただきたいのです。

FHD(1920×1080ドット)解像度の動画書き出し時間

Vegas Proにて5分程度の動画を書き出し、YouTubeにアップロード済みのテロップ・アニメーション・音声有。フルHD画質1080p59fps。

CPU単体

NVENC

4K(3840×2160ドット)解像度の動画書き出し時間

Vegas Proにてプライベート旅行で撮影した4K動画の書き出し、音声あり、データ修正はなしデータを5分で区切って書き出し。3840×2160 59fpsで変換。

CPU単体(Core i7 8750H)

QSV(CPU+iGPU)

NVENC(Core i7 8750H+RTX2060)

変換方法FHD4K
CPU単体16分7秒1時間48秒
QSV未実行30分
NVENC8分1秒13分21秒

変換データがFHDと4Kでそろっていないのはご容赦いただくとして、見ていただきたいのは、4K画質動画の書き出し時間の大きな違いです。

このデータで僕が伝えたいことはハイパフォーマンスのグラフィックボードを搭載していないと、あなたの編集時間が延び貴重な時間を大幅に奪うことになりますよということです。

もちろん、RTX2060以上のRTX2070やRTX2080搭載モデルを利用すればさらに短縮化はできるでしょうが、現実的な価格ではなくなってしまう点を考慮すると、”RTX2060搭載のNG5800を動画編集向けノートPCとして選ぶのはベストな選択“といえるでしょう。

超高速のUSB-Type C Thunderbolt™ 3対応

thunderboltポートはAppleが発売するMacに採用されていた規格ですが、USB Type-C形状に統合されました。

インテル公式より引用
  • 高速データ転送
  • 映像出力
  • USB3.1(普通のUSBとしても動作するということ)

上記のような特性があり、なおかつ

その転送速度は、40Gbpsということで、秒間500メガバイトのデータをやり取りすることが可能です。

SSDの価格が安くなってきたこともあり、外付けのSSDを利用する人が増えています。

今までUSB接続のNASや外付けHDDを利用していた人も、外付けのM.2SSDを利用すれば、4K動画やRAWデータなど重たいファイルを瞬時に読み込むことが可能です。

液晶モニターの色域はsRGBをカバー

ある意味”割り切った”といってもいいほどですが、NG5800シリーズに搭載されているモニターの色域はクリエイター向けモデルとしてはやや狭い”Adobe sRGB比で102%相当”としています。

実際にキャリブレーションツールで計測した結果は下記の通り。

NG5800液晶モニターの色域
Adobe sRGB比98.1%
Adobe sRGBカバー率91.4%
Adobe RGB比70.6%
Adobe RGBカバー率72.8%

NG5800に搭載されている液晶ディスプレイはノートPCとしては広いけれど、専用モニターと比較すると狭い。YouTube用の動画は気にならないかもしれませんが、RAW現像などの写真編集を行うのであれば、専用のモニターの購入をお勧めします。

DAIVに限らず、マウスコンピュータ―はクリエイターの声を直接製品にフィードバックしているはずなので、NG5800は動画編集用(特にYouTubeなどのウェブコンテンツ)に開発されたノートPCと考えてよいです。

写真編集がメインならば、NG5510シリーズか、最上位モデルのNG7700シリーズを検討するのが望ましいです。また別途専用モニターの検討をお勧めします。

トリプルストレージ構成が可能

M.2SSDに限りますが、NG5800シリーズはトリプルストレージ構成が可能です。

業界最速のSamsung製M.2SSD『PM981』で構成可能。

4K動画の素材データなどの読込が早くなり作業時間を短縮することができます。

ラインナップとおすすめ

DAIV-NG5800おすすめCPUGPUメモリSSDHDD
S1-S2Core i7 8750HRTX20608GB240GB
M1-S5Core i7 8750HRTX206016GB480GB
U1-M2SH5Core i7 8750HRTX206032GB512GB2000GB
U1-M2SSCore i7 8750HRTX206032GB512GB×2

DAIV-NG5800~

価格 179,800円

公式サイトで確認

DAIV-NG5800U1-M2SH5スペック

OSWindows 10 Home 64ビット
液晶ディスプレイ15.6インチ(1920×1080ドット)・タッチ非対応
CPUCore i7 8750H
グラフィックIntel UHD Graphics 630/GeForce RTX2060
メモリ32GB
ストレージ512GB (NVMw)+2TBHDD
光学ドライブなし
通信機能無線 IEEE802.11 ac/a/b/g/n (最大1.73Gbps) + Bluetooth 5モジュール内蔵/1 有線 (1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ-45)
インターフェースUSB3.0×3/USB 3.1Type-C×1/ヘッドホン出力×1/マイク入力×1)/miniDisplayport×1/HDMI×1/SDカードリーダー
セキュリティケンジントンロック/マカフィーリブセーフ(60日)
サイズ/重量359×257.8×20.3mm (折り畳み時/ 突起部含まず)
359×260.5×34.5mm (折り畳み時/ 突起部含む)/約2.4kg
バッテリー駆動時間約7.0時間
オフィス別売り
カメラ100万画素
保証1年間無償保証・24時間×365日電話サポート

 

Adobe Photoshopの快適性

快適を表す指標は、レンズフィルターやリサイズなどの重たいタスクをこなして、その処理にかかった時間をスコア化。

米国の『Puget Systems』が開発したテストで、現存する最高のCPU Core i9 9900K+RTX2080Ti搭載モデル、メモリ64GBを1000点とし、そのマシンがどのくらいの作業スピードを持つのかが相対的に測れます。

なお、2019年本記事執筆時には、RTX2060製造元となるNvidiaが2種のドライバーを用意しています。ゲームを動作させるのに最適化されているソフトウェア『Game Ready Driver』動画編集や、フォトショップに最適化されている『Creator Ready Driver』があります。

上記のテスト結果ではパフォーマンス微増といった形ではあるモノの、スコアアップが見られました。

顕著なのはフィルター系のスコアとGPUスコアがアップしています。

Adobe Photoshop CC Benchmark
Core i7 8750H メモリ32GB RTX2060
802
Core i7 8750H メモリ32GB GTX1050(4GB)
732 
Core i9 8950HK メモリ16GB GTX1050Ti
709
Ryzen 7 2700X メモリ16GB GTX1060(6GB)
760

 

スコアは他のスペックのPCと比較するとよくわかります。DAIV-NG5800U1-M2SH5は僕が利用しているデスクトップPC、ASUSが発売する40万円のノートPCを凌駕する性能を持っています。

もちろんサクサク動きます。

Adobe lightroomClassic CCのRAW現像スピード

なお、RAW現像時にも『Game Ready Driver』と『Game Ready Driver』の比較を行いましたが、1秒未満の変化で誤差でした。

Adobe lightroomClassic CCにて、Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ1分51秒でした。

  • 画像形式JPEG
  • カラースペースsRGB
  • 画質60
  • メタ情報『すべてのメタデータ』人物情報の削除、場所情報を削除
スペック書き出し時間
Core i7 9700K メモリ16GB(DGZ530)1分24秒
Core i7 8750H メモリ32GB1分51秒

 

RAW現像のスピードはメモリとCPUに依存します。DAIVのデスクトップシリーズであるDGZ530シリーズと比較すると処理に時間がかかっているように見えますが、充分高速です。

SSDの読込速度

インテル製のM.2SSDを搭載していました。

RAW現像や書き出し時間は”SSDの書込み速度に依存する”ため、上位モデルへのカスタマイズもおすすめです。NG5800はカスタマイズで最高スピードをだせるSamsung製のSSDに変更が可能です。

とはいえ、物理的に早くなる時間には限界もあり実測値でもおそらくほとんどかわらないため、単純に容量だけ増やした方が利便性は高いと思います。

耐久性

4K動画書き出し時のパソコンの温度をソフトウェアとサーモグラフィで計測しました。

ピーク時のパーツ温度

CPU

GPU

Core i7 8750Hはメーカーを困らせるハイパワーCPUなので下手な設計をしていると100℃近くまで上昇してしまうのですが、NG5800はダブルファンが全開で回ることによって熱をコントロールします。

GPUも同様で、70℃程度と許容範囲。Core i7 8750Hを搭載している一般的なノートPCよりも耐久性は高いです。

PC表面温度

最も熱いところで32.3℃とパソコン内部の熱が表面に伝わりにくい設計です。

裏面も42.7℃と安定しています。

奥から熱い空気がでてるのがわかる。

NG5800は熱を横、奥、裏面と3方向から排気する機構。

ゆえに排熱効率が非常に高いのです。

本体デザイン・外観について

NG5000番台は5500、5510ともに真四角でしたが、5800も真四角で、”業務用PC”といったイメージです。

光が当たると、光沢感がありますが、実際に室内で利用すると落ち着いた印象を受けます。

キーボード面も黒でおおわれており、キー側面のカラーリングがアクセントとなって目立ちます。

底面は、デュアルファン搭載かつメッシュ。さらに空気の通り道が確保されており、最高性能を出せる設計です。

バッテリーは別途装着するタイプでネジ止めする必要があります。

キーボード・タッチパッド

バックライト搭載のキーボードは、キーピッチ18.2mmキーストローク1.8mmですのでノートPCとしてはほぼ理想的。

写真でもキーが浮き上がっているのがわかりますが、普通に打ちやすかったです。

タッチパッドは、オーソドックスなタイプです。実はこのタッチパッドの中心部よりちょっと上の部分に指紋認証のセンサーが搭載されています。

液晶ディスプレイ

ノングレア液晶なので映り込みが少ないです。

バックライトの光り方と、視野角の狭さを考えるとTNパネルでしょう。

室内で確認してみましたが、やはり斜めから見ると暗くなっていました。ただ、TNパネルとしては広めのパネルなので、”正面から見た際に色がズレる”というのは考えにくい。

インターフェースについて

左側面

  • USB 3.0
  • マイクジャック
  • イヤフォンジャック

右側面

  • USB Type-C thunderbolt3
  • USB 3.0

奥側

  • LAN端子(Ethernet)
  • HDMI
  • miniDisplay
  • USB Type-C
  • DCジャック

前面

なお、前面には、UHS-II対応のSDカードリーダがついています。

設置・持ち運びのしやすさ

重量

実測値で重量は、2.39kg(バッテリー装着時)でした。

ノートPCとしては重たいですが、RTX2060搭載ノートPCとしては普通かやや軽いです。

連続駆動時間

バッテリーもちは、PCMark8で計測したところ1時間51分。

連続的に高負荷をかけるソフトのため実駆動時間は3-4時間程度といったところでしょうか。

設置イメージ

レイアウトソフトでモデリングしたイメージです。寸法はNG5800のモニターサイズ(359×257mm)に合わせています。

ハイパワーなPCが欲しいけれど机のサイズが…と考えている人にはこのくらいのサイズのノートPCがおすすめです。

マウスコンピュータ― DAIV NG5800評価とまとめ

DAIV-NG5800U1-M2SH5の評価
価格市場平均と比較すると割高感のある価格帯
性能申し分なし、動画編集用としては理想的
携帯性2.3kgでこのクラスなら妥当
液晶動画編集用では許容できる。本格的なものを作成する場合は別売りモニターを検討したい。
デザイン重厚感もあるが、実際に見るとスマートな印象でよい。

 

あえてケチをつけるとしたら、RTX2060搭載モデルとしては市場価格よりもやや高め。また、ノートPCで最新のミドルクラス性能を持つGPUを搭載しているとデスクトップPCと比べて割高感があります。

出先で作業する人におすすめできるサイズ感であることは間違いないので持ち運びも大切と考えている人におすすめできます。

  • 初心者向けRAW現像・写真編集用液晶モニターの選び方とおすすめ

DAIV-NG5800~

価格 179,800円

公式サイトで確認

なお、価格や仕様はブログ執筆時のものです、たまに安くなっていたりします。必ず公式ページで確認をお願いします。

写真編集や動画編集など、実機検証データをもとにDAIVシリーズの選び方やおすすめを記載した記事が下記となりますので是非ご利用ください。

このほか、マウスコンピュータ―のパソコンについて数多くレビュー記事を執筆しております、ご不明な点などありましたらコメント欄から受け付けております。

費用を抑えたい方はデスクトップPCの購入も検討してみてください

LUV MACHINES iG700X4N-SH2

  • コンパクトで高性能
  • 設置がしやすい
  • ゲーマーやクリエイターにもおすすめ

159,800 円(税別)~

公式サイトで確認

マウスコンピューターはmouseブランドにてRTX2060搭載のデスクトップPCを販売しています。

価格が魅力的で、拡張性はDAIVには及ばないもののミニタワー型で設置もしやすいです。

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