ASUSが2019年10月末に日本国内で発売するゲーミングモニター『TUF Gaming VG27A』を同社よりいち早くおかりすることとなったので、感想及び検証結果を記載します。
結論から言えば、ゲーミングモニターとして必要な要素である高リフレッシュレートパネルや、フルHD(1920×1080ドット)以上の解像度WQHD(2560×1440ドット)を実現しつつもコントラストが高いIPSパネルを採用。そしてUSBポートなどを削除することによりROGブランド製品よりも手ごろな価格設定で販売が可能な点が魅力。
TUF Gaming VG27AQの特徴
このモニターを選択肢に入れるということは中級者程度の腕前を持つゲーマーだと思いますが、念のため解説しておきましょう。
WQHD(2560×1440ドット)で144hz以上で駆動する高リフレッシュレートモニターなのにIPSパネルを採用
視野角が広く、綺麗なゲーミングモニター
ゲームに対して優位性を持つモニター(=そのモニターを利用することでほかのモニターを利用しているよりもゲームに勝ちやすくなること)の定義は細かい点が人によって異なるのですが、こと競技性の強いゲームをプレイして勝ちたい場合、フルHDで24インチ程度が望ましいと有名配信者は言った
そのため、ほとんどのゲーミングモニターは1920×1080ドットで144hz駆動可能なTNパネルで構成されていることが多いのですが…
手ごろな価格で購入できるゲーミングモニターはゲーム以外の情報を表示するためのモニターとしては”質が低い”と言わざるを得ない。
それをなんとかしてくれるのが、台湾メーカー大手のASUSというわけ。僕もこのモニターはCOMPUTEXで見てすごいと思った。
VG27AQはIPSパネルで高い表現力を保ちつつ、ゲームのプレイ時にも役立つ機能を取り揃えたモニターなのです。
ゲーム用途に最適化されたポート類
ASUSには、最強のゲーミングブランド『ROG』シリーズがありますが、『TUF』シリーズはできるだけコストをかけず、それでいて性能を損なわないようなコストカットが行われています。
例えば、PCのUSBポートを拡張できるUSBのアップストリームやダウンストリームポートはついておらず、純粋にモニターとしての機能のみ使える設計。
最近では、ゲーミングヘッドセットをかけられるスタンド機能など、本来のモニターの役割から外れた機能をつけるものまで市場で販売されていますが、個人的にはできるなら別でそろえたいし、余計なパーツやギミックは機器故障の原因にもなるので、取っ払われていたほうがありがたい。
また、HDMI、DPなどデジタル出力のみに絞った映像入力端子がすっきりしていてとてもいい。
上記画像はBenQのモニターですが、ゲーム用であれば、本来VGAは不要、DVIもまぁいらないかな、と。
VG27AQの映像端子は家庭用ゲーム機のPS4や任天堂Switch、そしてPC1、計3台接続してピッタリポートが埋まります。気持ちがいい。
薄く、軽く、ベゼルレス
わずか、人差し指ほどしかないフレームのおかげで没入感が非常に高く、マルチモニターを構築する際の”邪魔”にもならないでしょう。
上記画像は、7年前の他社モニターと比較したもの。画面ギリギリまで表示出来たほうが、視界の邪魔にならないのです。
ACアダプター付属で本体重量を軽量に
27インチの高解像度モニターは、足を含まないモニター本体だけで4.5kg~5kg程度のものが多いのですが、VG27AQは同クラスのモニターの中では軽量な部類です。
軽い理由は電源ユニットをモニター内部ではなく外部にACアダプターとして分離させることで軽量化。
モニター足を取り外した際の重量は約3.5kgほどで、非常に取り回しがしやすく、非力な20代一般人男性の僕でも楽々設置できた。
その代わり、ケーブル類が増えるので、配線をすっきりしたい人にとっては気になる点となりそう。
ASUS TUF Gaming VG27AQのスペック
VG27AQのスペック | |
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パネルサイズ | 27型 |
応答速度 | 1ms(MPRT) |
リフレッシュレート | 最大165hz(OC時) |
最大解像度 | WQHD(2560×1440ドット) |
パネルタイプ | IPS |
パネル仕上げ | ノングレア |
最大輝度 | 350cd |
視野角 | 水平178℃、垂直178℃ |
サイズ | 620×(377~507)×211mm |
スピーカー | 2W+2Wステレオ |
消費電力 | 65W |
表示機能
ASUSの上位クラスのモニターに搭載される操作パネルで下記に紹介する機能を呼び出すことが可能です。
VG27AQの操作パネルのメリットは、前面がスッキリすることだけでなく、マルチモニター環境にした際にも役立ちます。
操作に慣れてしまいさえすれば、背面に設置されている操作パネルで苦も無く設定を変えられます。
Game Plus
エイム精度をあげるためのクロスヘア(十字線)を画面中心に表示させることが可能な機能から、ゲームの進行度を図るためのタイマーなど、一般的なモニターに搭載されていない機能が付属。
実はトッププレイヤーはこうした機能を実践で投入することは少なく、あくまで練習用とのことですが、初、中級者がエイム精度をあげるためには有効な手段らしいです。
- ASUS公式 GamePlusとは
ASUS HDR 10
Windows 10標準機能『Windows HD Color』でHDRのゲームとアプリを使用するをオンにすると下記のような色の変化を楽しむことが可能。
通常
ASUS Cinema HDR
ASUS Gaming HDR
ASUS VG27AQはより豊かな階調表現が可能。昨今話題のHDR-10に対応しています。
ASUSが用意するHDR機能には、『ASUS Cinema HDR』 と『ASUS Gaming HDR』です。
確かに通常のHDRオフの際は、色味が強く影の部分が黒くつぶれてしまっているような印象もあります。目視で確認した際はASUS Cinema HDR際が最も有機ELモニターに近いような気がしました。
Gaming HDRのほうが暗い所と明るいところの差がわかりやすいような色使いです。
Game Visual Demo Mode
VG27AQには『Game Visual Demo Mode』が搭載されており、左半分と右半分で映像による効果を目視で確認することができる。
色味の調整など、困ったらこの機能を利用すれば自分に合った設定が見つかるでしょう。
G-SYNC Compatible
VG27AQはNvidiaに G-SYNC Compatibleモニターとして認定されており、テアリングやスタッタを抑える可変リフレッシュレートの同期技術に対応しています。
詳細はNvida公式ページを参照して下さい。
モニターの色域
VG27AQはゲーミングモニターなのですが、クリエイティブ作業にも使える広式域モニターです。
VG27AQの色域 | |
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sRGBカバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 83.3% |
色彩豊かな表現が可能なモニターである理由はこのカラースペースの広さが故でしょう。
ゲーミングモニターに採用されるにはもったいないくらいの非常に高品質なパネルです。
シーンモード選択時に計測した結果です。軽度な調整は観られますが、自然な発色だと思います。
組み立てのしやすさ
VG27AQは購入すると上記画像のような状態、あとは足をねじ止めするだけで完成。
特別な工具は不要で2ステップでモニターが完成します。
VG27AQの評価とまとめ
最高の表現力を備えつつ過不足なくまとめたゲーミングモニター
これまで、ゲーミングモニター=画質が悪いといったイメージが先行していましたが、VG27AQはそれを見事に覆すモニター。
クリエイティブな作業にも使える広色域のIPSパネルの使い方は変幻自在で、HDR-10を使えば、映画やドラマなどの映像視聴でも感動を与えてくれます。
恐らく(記事執筆時では日本未発売)価格は通常のモニターよりも高めの設定となるでしょうが、納得できる性能はあると思います。
PS4proをつないだ場合4k出力になり、モニター側でダウンスケールされるのでしょうか?
PS4Pro側で解像度変更するのだと思います。