ゲーミングデスクトップPC ASUS ROG STRIX GL12CXをレビュー。ナンバーワンマザーボードメーカーの本気を見た。

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ASUSはマザーボードの販売台数が14年連続1位でまごうことなきトップオブトップのPCパーツメーカーなので、自作erからの評価は高いのですが、既に完成されたパソコンを欲している人にはやや価格が高いこともあって手が出しづらい。

今回僕がレビューするのは、「ROG STRIX GL12CX」で。ASUSのなかではハイエンド的な位置づけ。とはいえマザーボードのサイズはmicroATXサイズで、「ASUSなのにどうなの?」とも思ったのでその理由とともにGLシリーズを初心者向けに解説したいと思います。

ROG STRIX GL12CXの特徴

ハイエンドGPU RTX2080搭載

グラフィックボードはハイエンドクラスを搭載するのであれば、内排気モデルの方が簡易的に冷却性能を高められるのだけれど、PCケースを大きくしなければならないというデメリットがある。

外排気モデルがわからない方は下記記事を参照してください。

自作PCと比較

実際にATXサイズのマザーボードが搭載可能な自作PCと比較すると一回りコンパクトにできる。それでも世界観を大切にするASUSはmicroATXサイズのマザーボードにしてはやや大きめだと感じました。

前述した3連ファンを採用した内排気のグラフィックボードを搭載しようとすると、僕の自作PCでも横幅が足りない。(正確に言えばドライブベイ外すか切るかすれば行けるけど面倒だよね)

貸出品の状態。別に僕がほこりを付けたわけではない。

搭載されていたグラフィックボードは144時間のストレステストに合格するリファレンスモデル『TURBO-RTX2080-8G

リファレンスモデルとはいえ、RGBライティングもあり、それなりに光らせられるグラフィックボードです。

144時間の安定性テストと一連の3DMarkベンチマーク実行を含む信頼性試験を実施して、カードに限界まで負荷が掛かっても正常に動作することを保証します。

リファレンスモデルのメリットは、薄型化と簡素化。だからケースの幅を小さくできる。そのうえで上記耐久テスト合格しているので安心できますね。

完成品を買うメリットのひとつは配線する必要がない

ある意味、ゲーミングデスクトップPCはグラフィックボードのパフォーマンスと耐久性が確保されていれば「ゲーミングPC」と名乗れるので自分で組み立てる人もいるけれど、配線や耐久性を考慮するならばメーカー製をおすすめしたい。

GL12CXは電源からマザーボードに出力するためのケーブルとCPUクーラーのケーブルしか表からは見えないようになっている。

裏配線でしっかりケーブルがまとめられているので、表から見た時にも綺麗。

パソコン本来のパフォーマンスと配線が綺麗なのは全く関係ないけれど、「無駄なく敷き詰まっている感」と、「ケースの蓋を外した際に恥ずかしくない」(誰に見せるのって話だけれど)作りはメーカー製PCならでは。

おすすめとラインナップ

似たような外観でパーツの中身が違うので一応解説しておきます。

GL12CS-I7G1060
Core i7 8700 メモリ16GB GTX1060 1TBHDD
GL12CX-I7KR2070
Core i7 9700K メモリ16GB RTX2070 256GBSSD 1TB HDD
GL12CX-I9KR2080
Core i9 9900K メモリ32GB RTX2080 SSD 512GB HDD 1TB

 

個人的に初心者におすすめなのは『GL12CX-I7KR2070』でFPS系のゲームならWQHDの解像度まで引き上げても遊べるし、FHDならすごく快適に遊べます。

GL12CX-I9KR2080は4K動画の編集やゲーム配信者を目指す人におすすめしたいモデルですね。

また、ASUS公式ストアではセールも開催されているので、旧モデルを安く購入することも可能です。

GL12CX-I9KR2080のスペック

CPUintel Core i9 9900K
GPUNvidia RTX2080
メモリ32GB
SSD512GB(PCIe)
HDD1TB
電源700W

 

性能を検証

  • フォートナイトをFHD・エピックプリセットにてプレイ
  • PUBGをFHD・ウルトラの標準的なプリセットにてプレイ

上記をMSI社の『afterburner』で平均フレームレートとGPU温度を計測しました。

フォートナイトは最高画質で平均171fps

高負荷時でも100fpsを割ることなく、平均で171fpsで描画が可能。

検証時のGPU温度は最高が83℃でそれ以上の上昇は見られませんでした。ゲームをやめた際にGPU温度の明らかな低下がみられるため、冷却性能は全く問題ないと思われます。

PUBGは180fps付近で安定

流石ASUSのグラフィックボードといったところでしょうか。平均フレームレートは183fpsでした。しかも非常に安定した数値。

グラフィックボード温度はフォートナイト同様83℃で安定。

最高性能を出したい人におすすめの性能でした。

FPS系のゲームはフルHDの最高画質で十分快適にプレイ可能ですね。過去、他社のGPUを搭載したモデルのレビューも書きましたが、ASUSのグラフィックボードのパフォーマンスは他社モデルよりも高いと思います。

「どうせお金をかけるなら最高性能を発揮できるゲーミングPCを購入したい」と考えている人におすすめできます。

3D Mark Time Spyで他社モデルと比較

【G-Tune】MASTERPIECE i1640シリーズをレビューにてMSI社のリファレンスモデルを搭載したゲーミングPCをレビューしていたことを思い出しました。

ASUSとMSIのGPU比較
G12CX10515
i16409694

総合スコアしか記録していないというレビュワーにあるまじき凡ミスをしているのですが、CPUがCore i7 9700K以外ほぼ変わらないです。参考程度にとどめておいてください。

ASUSのグラフィックボードはMSI社のものよりもパフォーマンスがでているのではないかと感じました。

※当記事は性能を保証するものではありません。

動画の書き出し時間

Vegas Pro15にて4K動画の書き出しを行いました。

  • 3840×2160動画
  • 動画の尺は5分
  • インターネット4K 2160p 59.94fps
Core i9 9900K+RTX2080
CPU35分18秒
NVENC(CPU+GPU)7分21秒

以上の結果となりました。

動画の書き出しは、フルHDの場合下位モデルとの差は感じられませんが、4K画質となると話は別。CPU単体の処理とNVENCでは大幅に作業時間が異なります。

また、尺の長い動画の編集においても効果を発揮するため、ゲームのプレイを編集して投稿したいといったニーズを持っている方ははRTX2080は非常に有効です。

SSD・HDDの読込速度

Samsung SM961が搭載されていました。バルク品ながらシーケンシャルリードの理論値は3100MB/sと非常に高速で、コンテンツ制作に向いたSSDです。

実際の数値は上記の通り、読込速度は3021MB/s書込み速度は1785.0MB/sでした。

別ドライブのHDDは読込速度が204MB/sです。HDDとしてはちょっと早いくらい。ゲームのデータを保存するのにはとても良いHDDだと思います。

外観・デザイン

フロント

フロントIO

フロントIOには、USBポートが4つ、SDカードスロットが一つ、ヘッドフォンジャックがありました。

右サイドパネル

冒頭の写真はクリアパネルに変更した写真ですが、通常は上記画像のようになっています。

左サイドパネル

大きなASUSロゴが刻印され、ケースデザインとともに世界観を表現しています。

斜めから見ると造形がよくわかりますが、ROG製品はEagle(鷲)をモチーフとしており、くちばしを模したデザインであることがフロント部からサイドにかけてわかります。

とてもよく表現できていると思います。

日本国内ではASUS ROG製品として純正ケースは販売されていないため、メーカー製PCを購入するメリットのひとつに「ROGの世界観を踏襲した純正ケースが使える」といった点もあります。(2019年5月時点の情報であり今後ケースが発売される可能性もあります。)

背面

背面のIOパネルにもこだわりが見られ鉄。通常のPCケースとは一線を画すつくりとなっていました。

インターフェース

ASUS公式より引用

底面

 

BIOS画面

通常のマザーボードとの違いとしてWindowsを立ち上げ時に、ROGロゴが浮かび上がるようなアニメーションがありました。起動画面でした。

AURA SYNC

AURA SYNCに対応しているため、フロントのROGロゴと内部のAURA SYNC対応製品の発行パターンを決められます。

本体重量

本体重量は実測値で11kgでした。ゲーミングデスクトップとしては普通の重量です。

耐久性

ファイナルファンタジー15のベンチマークテストを1時間ほど実行した際のPCケースの内部の温度を測定しました。

CPUクーラーがとても良い仕事をしているのが、サーモグラフィでわかります。CPUクーラー全体の温度は32.4℃ととても低く推移しており、オーバークロックにも耐えられる設計だと思います。

 

一方で、外排気モデルのグラフィックボードは81℃付近となかなか高い温度を出していました。

ただ、ゲームのプレイ時にある一定以上の温度まで上昇しないことを確認しているので安心です。

CPU周辺の温度も計測してみましたが、40℃前後と安定していました。

PCケース内部の冷却システムはきちんと稼働しており、長時間ゲームのプレイをしても壊れにくいでしょう。

ROG STRIX GL12CXの評価とまとめ

最後にGL12CXの評価をまとめたいと思います。

高品質・高価格のゲーミングデスクトップ

性能や耐久性はとても良い

パフォーマンスと価格が釣り合ってるかどうかはさておいて、品質は確かだと思います。

なによりRTX2080のパワーは絶大で4K動画の編集までそつなくこなせるでしょう。

プラスアルファ他社モデルの同スペックよりも性能は高いと思いますし、耐久性の高さが魅力的。

見た目にこだわる人もおすすめできる

下手にデスクトップPCを自作するよりも、綺麗にまとまった完成品を買ってしまうというのも選択肢としてありだと思いました。

ROGブランドのPCは凝った作りとなるため、価格が高くなりがちですがROG製品が好きならば買っても良いと思います。

弱点は外排気モデル・拡張性に不安

外排気モデルはうるさいと感じてしまう。

ゲームのプレイ時にヘッドセットを使う方なら気にならないでしょうが、冷却ファンが全開で回ると「ぶぉおおおおおん」という音が部屋全体に響き渡ります。この点はグラフィックボードの特性上しょうがないことなのです。

とはいえ、RTX2080で内排気モデルをチョイスしようとすると、これよりもPCケースが大型化してしまうため、サイズとパフォーマンスを考えたら「まぁありなのかな」と。

動画編集をする場合不安が残るかも

実は前面のパネルをはずすとホットスワップ対応の2.5インチベイがあるのですが、ケース内部の大きさからしてコレがいっぱいいっぱいでしょう。ゲーム保存用HDDが1TBでは足りないと考える人もいるでしょうし、動画編集も行いたいという方は、データ保存容量に対して不安が残るかもしれません。

価格

コストパフォーマンスを考えると、普通に悪い。自作PCで格安でRTX2080を組むのであれば20万円代の中盤で組めます。

ただし、PCのことを知らないでハイエンドグラフィックボードを搭載しようとすると冷却性能や電源の出力を考えずに構成して失敗する可能性もあります。

GL12CXは比較的省スペースかつパーツのパフォーマンスを最大限引き出せる構成で販売されているのでその点も考慮すべきです。

なお、仕様は記事執筆時のもので変更となる恐れがあります。また、この記事は動作性能を保証するものではありません。

ゲーミングデスクトップPCを買うのにおすすめのキーボード・マウス

GL12シリーズはマウスやキーボードが付属していません。

ASUSのROGブランドから発売されているモニター・キーボード・マウス・ヘッドセットを別途購入するのがおすすめです。下記にそれぞれのレビュー記事を掲載していますので是非参考にしてください。

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