ASUSがゲーマーブランドROGから発売しているROG Zephyrus G GA502DUは120hzで駆動するモニターを搭載した本格的なゲーミングノートPCです。
Zephyrus(ゼフィルス)シリーズは東南アジアや北米で人気のゲーミングノートPCでハイスペックかつROGの世界観を踏襲したかっこいいデザインが特徴的です。
今回、ASUSより実機をお借りして検証した結果と僕の感想を記載します。
現在ROGロゴが印字された非売品のパーカーをもらえるキャンペーンを行っています。詳細は上記ページをご覧ください。
ROG Zephyrus G GA502DUの特徴
モバイルノートと同等クラスの超スリムボディ
ROG Zephyrus G GA502DUの厚さは最大で20.4mmほど。一般的なモバイルノートPCと同等クラスで、非常にスリム。
スマートフォンと比較しても大きさにあまり差がなく、ぱっと見た印象はゲーミングノートPCとは思えません。
とはいえ、天面はこんな感じでROGロゴが赤く光りますので、存在感はあります。
NVIDI GeForce GTX 1660 Ti Max-Q搭載
CPUにRyzen 7 3750H、GPUにGTX1660Ti Max-Qを採用しています。現行のノートPCはミドルクラスのハードウェアが最もコストパフォーマンスが高く、主要ゲームタイトルを快適にプレイできることからゲーマーのサブ機あるいは、これからゲームを始めたいと思う方の初めてのPCとしておすすめできます。
フォートナイト・PUBG中級ゲームタイトルの快適性
フォートナイトシーズン2の平均フレームレート | |
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フルHD(1920×1080ドット) | |
エピック(最高画質) | |
高画質 | |
中画質 |
中級クラスの人気ゲームタイトル『Fortnite』はエピック画質で85fpsでした。
フォートナイトはシーズン2になり、若干ゲームのグラフィックスが重くなっているので、エピックでの起動よりも中画質で安定して動かしたほうがサクサクプレイできます。
120hz駆動の高リフレッシュレートモニター搭載
シューター系のゲームでは高リフレッシュレートのモニターを使うだけで勝率があがるというデータがあります。
ROGブランドはゲーマーですので、この辺りは必然なのですが、ROG Zephyrus G GA502DUは120hz駆動の高リフレッシュレートのモニターを採用しています。
別途ゲーミングモニターを購入せずともゲームを有利に進められる環境が手に入るのはROGならでは。
ROG Zephyrus G GA502DU
公式サイトで確認ROG Zephyrus G GA502DUのスペック
検証機は下記構成・スペックです。
ROG Zephyrus G GA502DUのスペック | |
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ディスプレイ | 15.6型フルHD(1920×1080ドット)120hz |
CPU | Ryzen 3750H |
GPU | GTX1660Ti Max-Q(6GB) |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB |
重量 | 約2.1kg |
サイズ | 360mm×252×20.4mm(突起部覗く) |
保証 | 24ヵ月間のインターナショナル保証 |
ASUSのゲーミングノートPCは標準で2年間のメーカー保証が付属しています。
「有償で延長はしたくないけれど、1年では短い」と考えている人におすすめです。
ゲームの快適性
冒頭のフォートナイトデータやこれから掲載するPUBGのフレームレートは実際にゲームをプレイした際の平均フレームレートを記載しています。設定やステージによって数値は異なりますので、参考程度のとどめておいてください。
PUBG
PUBGではエピック画質で83fps、中画質で103fpsとまずまずな結果でした。
GTX1660TiMax-Qは通常のGTX1660Tiよりもピークパワーが削られているのか、個人的には今一つ。
快適にプレイできる水準ではあると思いますが、メインのゲーミングノートPCとしてで使うのであれば、もう一段上のゲーミングノートPCを見てもよいかもしれない。
ファイナルファンタジー15|重量級ゲームタイトルの快適性
ファイナルファンタジー15のスコア | |
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フルHD(1920×1080ドット) | |
軽量品質 | |
標準品質 | |
高品質 |
重量級ゲームタイトルでは、標準品質まで快適性を保てますが、高品質では厳しい。
ROG Zephyrus G GA502DUのゲーム性能まとめ
オシャレでかっこいいゲーミングノートPCだけど、期待しすぎは禁物
ROG製品が好きな僕がやや厳し目な評価を下しますが、ゲーミングパフォーマンス単体で考えると、パフォーマンスの出てなさ加減にがっかりしました。やはりMax-Qが足を引っ張っているのだと思います。
単純なゲーム性能は大型のゲーミングノートPCに敵わないのでフォルムや世界観など総合力で判断する必要がありそうです。
ベンチマーク結果
Cinebench R20
CPUのマルチスレッド性能を測定するCinebench R20では下記のような結果に。
Cinebench R20の総合スコア | |
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ZenBook Pro Duo Core i9 9980HK | |
Legion Y740 15 Core i7 9750H | |
ROG Zephyrus G GA502DU Ryzen 7 3750H |
デスクトップPC用のRyzenシリーズと違いノート用のRyzen CPUはインテルCPUよりもパフォーマンスが出ません。
とはいえ、「CPUの性能が出ないから中級クラスのゲームタイトルでの快適性も劣る」とは一概に言えず、グラフィックスパフォーマンスはGPUに依存するため、”ゲーム用”として考えるのであれば問題はないと思います。
Adobe Premiere Proで動画の書き出し
過去、実際に僕がYouTubeにアップロードしたこのとある、アニメーションありのフルHD画質、テロップ、アニメーションありの動画の元データを使い書き出しを実行しました。
書き出し条件は下記の通り
- H264
- YouTube 1080P
- 動画の尺を5分に設定し書き出し
ROG Zephyrus G GA502DUの動画の書き出し時間 | ||
---|---|---|
ソフトウェア | 8分47秒 | |
CUDA | 7分25秒 |
Ryzen 7 3750H がPremiere Proとの相性が悪いのか、動画の書出しはあまり早くありません。
RAW現像
Adobe lightroomClassic CCにて、Adobe Lightroom Classicにて、α7Ⅱで撮影したRAWファイル(1枚あたり24Mb)を100枚JPEGに書き出しするスピードを計測したところ3分51秒でした。
- 画像形式JPEG
- カラースペースsRGB
- 画質60
- メタ情報『すべてのメタデータ』人物情報の削除、場所情報を削除
RAW現像スペック別の処理時間 | |
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スペック | 書き出し時間 |
Core i7 9700K メモリ16GB(DGZ530) | 1分24秒 |
Core i9 9900K メモリ64GB | 1分25秒 |
Core i7 9750H メモリ32GB | 1分33秒 |
Ryzen 7 3750H メモリ16GB | 3分51秒 |
RAW現像はメモリの量も処理速度に関係がありますが、やはりAdobe系ソフトウェアとは相性が悪いようで、Intel Core i7 9750Hと比較すると処理速度にかなりの開きがあります。
搭載ストレージ
搭載ストレージは、Intel SSD 660Pでした。NVMe接続のSSDとしては、最高速ではないもののゲームの読込速度は速いと感じました。
ベンチマーク結果・性能についてのまとめ
ROG Zephyrus G GA502DUは市場で安価とされるパーツを組み合わせながらコストカットされているゲーミングノートPCだと思います。
そのうえでゲーミングノートPCとして必要なパフォーマンスは発揮するものの、クリエイティブ系のパフォーマンスが低めなのでマルチにこなしたい場合は、GXシリーズなど上位のモデルを検討する必要がありそうです。
外観・デザインについて
アルミボディを採用したクールなデザインが特徴的でスタイリッシュなデザインだと思います。
背面の鋭角的な排気穴が特徴的です。
天板のヘアライン加工は縦、斜めに施されており、高級感があります。
背面の台形カットはエッジが効いていてかっこいいと思います。
内部のヒートシンクを隠すためのカバーは斜めにカットされています。
排気穴の隣にはRepubli Of Gamersのメーカーロゴが印字されています。
画面占有率81%を実現する超極薄フレームを実現しており、15.6型のノートPCながら非常にコンパクトです。
鋭角的なデザインをしていますが、ユーザーの指を傷つけぬよう、角は丸みを帯びています。
開閉部は、切り欠きデザインでPCの開け閉めがしやすい作りです。
底面は、冷却性能をあげる空洞を作り出すためゴム足がついています。
ミドルクラスのゲーミングノートPCとしてはかなり貴重な2.0kg代の重量です。
“ノートPC”としては重たいのですが、携帯する上でギリギリの重量なので、軽量性とパフォーマンスを重視する方にはもってこいの製品だと思います。
液晶モニター
ノングレアタイプのパネルを採用しており、視野角は広めだと思います。
色域・トーンカーブ
若干”青”が弱いのですが、発色は自然で見やすいと思います。ゲームのプレイならば全く問題ありません。
液晶パネルはシャープ製のLM156LFが搭載されていました。TUFシリーズなどの廉価なモデルにも採用されているモデルです。
LM156LFGLの色域 | |
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sRGBカバー率 | 63.1% |
コンテンツクリエイトを主とした作業を行うのであれば、ワンランク上のROG GXシリーズかプロ用のZenBook Pro Duoがいいと思います。
キーボード・タッチパッド
キーボードはUS配列を採用したゲーミング特化のキーボードでした。
Nキーロールオーバーに対応しているため、ゲームプレイ時の同時押しもしっかりと認識してくれます。
キーストロークは1.5mmですのでゲーミングキーボードとしては浅めです。
ASUS曰く、オーバーストロークによって反応速度を高めているとのことです、実際にプレイしてみると確かに反応は速い気がしました。
タッチパッドは標準的な大きさです。独立型のボタンはありません。クリック感は浅めですが、しっかりと反応してくれるので操作性は高いと思います。
ROG Zephyrus G GA502DUの強みとして、簡単に音量の調節や、マイクのオンオフができる点です。
音量を瞬時に調節できれば、ゲームのプレイを有利に進められるシーンがありますし、ボイスチャットしながらゲームをプレイする人が離籍する際にマイクをミュートにできるのは地味ですが有り難い機能。
ROGロゴを推せば瞬時にAmoury Crateを起動できます。
Amoury Crate
ROG Zephyrus G GA502DUにはAmoury CrateというASUSのソフトウェアが標準で付属しています。
Amoury Crateを利用することで以下の設定を変更、確認できます。
- ファン回転速度
- AURA SYNC同期
- ゲーム中に停止するプロセスの選択
- Game Library
AURA SYNC対応のROG製品を持っていれば、同期させて光らせられます。
ファンの回転数
ROG Zephyrus G GA502DUは
- Windows
- サイレント
- パフォーマンス
- Turbo
- 手動
5つのプロファイルを選択することでファンの回転数やCPUのパフォーマンスを調整可能です。
ファイナルファンタジー15のベンチマークテスト中、上記画像のとおり、PCの近くで計測させたところ下記のような結果になりました。
ROG Zephyrus G GA502DUのファン駆動音 | |
---|---|
サイレント | 39.9db |
パフォーマンス | 45.3db |
Turbo | 53.5db |
ゲームプレイ時はパフォーマンスモード(記事掲載中のテストはパフォーマンスにて計測)にしておけば、快適なプレイが可能でTurboに設定してもスコアの大幅な向上はありませんでした。
一般的なゲーミングノートPCよりも静かだと思いますが、回転音はしっかりと聞こえてきました。
インターフェース
左側面
- DCジャック
- イーサネット(有線jLAN)
- HDMI
- USB 3.0
- USB 3.1 Type-C Gen2
- ヘッドフォンマイク兼用コンポジャック
右側面
- USB 3.0×2
- ケンジントンロック
ゲーミングノートPCとしては高めの拡張性です。データストレージとの接続はType-Cが良いと思います。
外付けのキーボードは、ROGシリーズものを選ぶとおさまりがいいかもしれません
ゲームプレイ時のPC温度
ファイナルファンタジー15を3時間駆動させ続けた際のログデータです。
GPU温度は88℃付近で張り付いていました。大きくパフォーマンスが低下しているところは、誤ってスリープにはいったところです。
動作には問題がありませんが、温度は少し気になるかなといった感じ。意図的にパフォーマンスをコントロールしてる感もあるので、メーカーとしてはコレでオーケーなのかもしれません。
付属品 ROGバックパックについて
ROG Zephyrus G GA502DUは購入時5000円相当のバックパックが付属してきます。
ROGロゴをあしらたデザインが特徴的で日帰り旅行に最適な16リットルクラスのデイパックです。詳細は下記記事に記載しました。
ROG Zephyrus G GA502DUの評価とまとめ
メリット・デメリット
メリット
- 薄い
- 軽い(ミドルクラスGPU搭載モデルとしては)
- 安い(ROGブランドの製品としては)
- デザインがかっこいい
- 120hzのモニター標準搭載
デメリット
- パフォーマンスがインテルよりでない
- USキーになれる必要がある
- 単体のAURA SYNCなし
デザインが良く静かなゲーミングノートPCを求めている方におすすめ
ROG Zephyrus G GA502DUはRyzen CPUを搭載することで、ROGブランドの製品としては安く仕上げています。
ただし、パフォーマンスが中途半端な感が否めません。STRIXシリーズといえどもROGの名前がついているからには、最高パフォーマンスを発揮してほしかったのですが、”同じパーツを搭載しているゲーミングノートPC並み”で特別感が薄れています。
もちろん、ほかのゲーミングノートPCと同等クラスの性能はありますのでゲームのプレイに支障はありませんが、期待しすぎるのがよくない。
単体でAURA SYNCに対応していないのは、持運びやビジネスシーンでの利用も想定しているからでしょう。
ROG Zephyrus G GA502DUは削るところを削ってコストカットを施したROG STRIX製品です。
「コストパフォーマンスを求めて買う」というよりは比較的低コストでROG製品が欲しい方や、デザインにこだわった外用の薄型ゲーミングノートPCが欲しい人におすすめできます。
ROG Zephyrus G GA502DU
公式サイトで確認現在ROGロゴが印字された非売品のパーカーをもらえるキャンペーンを行っています。詳細は上記ページをご覧ください。