ASUSが発売するTUF Gaming A17 FA706QRはCPUにRyzen 7 5800H、GPUにRTX3070を搭載したミドルハイクラスのゲーミングノートPC。
また、144Hzで動作する高リフレッシュレートのパネルも採用、シューター系のゲームタイトルを144Hzで遊ぶのに最適で初めてのゲーミングノートPCとしておすすめだ。
今回メーカーより検証機をレンタルできたので検証結果やおすすめポイント気になる点を記載していく。
スペック
ASUS TUF Gaming A17FA706QR | |
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モニター |
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CPU |
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dGPU |
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メモリ |
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SSD |
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サイズ(幅×奥行×厚さ) | 幅約360mm×奥行き約252mm×高さ約19.9-20.9mm |
バッテリー持続時間 | 約12.2時間 |
無線通信規格 | Wi-Fi6/Bluetooth V5対応 |
充電タイプ | DCジャック |
重量 | 約2.75kg |
保証 | 12か月間のインターナショナル保証 |
インターフェース規格など仕様詳細はASUS製品ページから閲覧可能です。
ASUSの製品は購入後、あんしん保証および3年の延長保証あんしん保証プレミアムに加入可能です。
日本国内のメーカー保証以上に手厚い保証なので、ハードに使うゲーミングノートPCを購入検討されている方はあんしん保証も検討するとよいだろう。
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR
公式サイトで確認なお、価格や仕様は変更となる恐れがあるため必ず公式ページにて確認を。
ASUSTek ゲーミングノートパソコン TUF Gaming A17 FA706QR(AMD Ryzen 7 5800H/16GB, 512GB/RTX 3070 Lapto...
ASUS TUF Gaming A17 FA706QRの特徴
YouTubeにもレビューをアップしているのでチェックしてください!
8コア16スレッドCPU AMD Ryzen 7 5800H搭載
ASUS TUF Gaming A17FA506QRはAMDのRyzen 7 5800Hを搭載している。インテルより低価格で搭載可能、かつ高性能であるため非常にコストパフォーマンスが高い。
ASUSにも第11世代のインテルCPU Core i7 11370Hを搭載したTUFDASHシリーズがあるが、こちらは4コア8スレッドであるため、ゲーム性能が抑えられていた。
2021年にゲーミングノートPCを買うならRyzen 5000番台を搭載したモデルを選ぶのが良いだろう。
ちなみに、他メーカーでは第10世代のインテルCPUを搭載しているモデルも多数あるが、第10世代のインテルCPUは爆熱なので個人的におすすめしない。
Ryzen 9 5900HSや5900HXとの違い
すでにレビューをしているRyzen 9 5900HXやRyzen 9 5900HSとRyzen 7 5800Hの違いは最大動作周波数で、Ryzen 9は最大動作周波数が4.6GHzまで上昇し、シューター系ゲームのプレイ時、高いフレームレートで動作させる際や、動画編集などのクリエイティブな処理時間に差が生じる。
しかし、サイバーパンク2077やモンスターハンターワールドなど、重量級のゲームタイトルでは差が表れづらいため、単純にゲームのプレイを楽しむだけであれば、Ryzen 7 5800Hで十分だ。
RTX3070を搭載
ASUS TUF Gaming A17FA706QRはNVIDIA RTX3070を搭載。
ノートPC用のGPUは出力が機種ごとに設定されているため、機種ごとに確認する必要がある。TUF GAMING A17は最大出力が95W。
後述するが、実行性能はデスクトップ用のRTX2060程度の性能で飛びぬけて高性能というわけではないが、すべてのゲームを快適に遊べる程度の性能はある。
ASUS TUF Gaming A17FA706QRに搭載される144Hzのパネルも活かせる性能なので非常にバランスが良い。
ゲーマーに必要なインターフェースがすべてそろっている
RJ45(有線LAN)やゲーム用の専用コントローラー、マイク、カメラなど複数のデバイスを接続するための各種ポートが豊富でUSB-Cまで搭載している。
USB-Aのポートは合計3つで左右に配置されているため、自分好みにキーボードやマウスを配置できる。
最近では薄型のゲーミングノートPCが流行しているが、据え置きタイプのマシンには多くのポートが搭載されていたほうが使い勝手はいい。性能について
ASUS TUF GAMING A17FA706QRの性能を各種ベンチマークソフト・ゲームタイトルを起動させ、スコアやフレームレートを計測する。
Cinebench R20
Cinebench R20はCPUのパフォーマンスのみでコンピューターグラフィックを生成し、CPUの性能を測定するベンチマークソフト。点数が高ければ高いほど高性能とされているが、実際のソフトウェアを動作させた際の実性能と差が開く可能性があるが結果下記の通り
Cinebench R20の総合スコア | |
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Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS(Turbo時) | |
Core i9 10980HK | |
Ryzen 9 4900HS | |
Ryzen 9 5900HS(サイレントモード) | |
Core i7 10875H | |
Ryzen 5 4600H | |
Core i7 10750H | |
Core i7 11370H | |
m-Book K700 Core i7 9750H | |
HP ENVY X360 13 Ryzen 7 4700U | |
HP ENVY x360 15Ryzen 5 4500U | |
Core i5 10300H | |
ThinkPad E14 Gen 2(AMD) | |
Prestige 15 Core i7 10710U | |
mouse X5 (Core i7 10510UI) | |
ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U) | |
ThinkPad X390(Core i7 8565U) |
マルチスレッド性能は4925ptsと非常に優秀でインテルCPU搭載機をしのぐ性能。
モバイル向けのRyzen 9 5900HSをしのぐ性能で、据え置き型ならRyzen 7 5800Hは安定的。ノートPCは筐体のサイズによって排熱効率が変わるため、ベンチマーク結果に影響を及ぼす可能性があるが、ASUS TUF Gaming A17FA706QRは17.3型なので、CPUの性能をうまく発揮できているのだろう。
一方でシングルスレッドの性能は544ptsとまずまずの結果だった。Ryzen 9やインテル第11世代と比べると同等かわずかに不利。
とはいえ、これだけの性能が出ていればほとんどの作業で不満を感じることはないと思われる。ゲームのプレイ時やクリエイティブなタスクを処理させた際に変化がある程度。
Cinebench R23
Cinebench R23の総合スコア | |
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Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
M1 | |
Core i7 11370H |
最新のCinebench R23(Minimum Test Duration OFF)では12651pts8コア16スレッドの強さを感じ取れた。OCされたRyzen 9 5900HXよりは不利だが、既存のゲーミングノートPCに搭載されるCPUのなかではトップクラスの性能だ。
Cinebench R23のシングルスレッドスコア | |
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Core i7 11370H | |
M1 | |
Core i7 1165G7 | |
Ryzen 7 5800H | |
Ryzen 9 5900HS | |
Ryzen 9 5900HX |
Cinebench R23には今回のように1度で性能を測定する方法と動画で紹介しているようにストレステストを含んだ測定方法があるため、スコアの上ぶれ下ぶれが発生する。
クリエイティブタスクの快適性に直結するシングルスレッド性能は1441ptsで、他社チップと比較して若干不利といった結果。とはいえ、実行性能上ほとんど差を感じることはないだろう。
フォートナイト
フォートナイトは、実際にソロでプレイを5分程度行い、その平均フレームレートを計測。中画質プリセットは3D描写を100%に設定。(スカイダイブ時は非計測 プレイ内容を完全再現できないのであくまで参考程度の指標としてとらえてください。
画質はプリセットの「最高画質」「高画質」「中画質」を選択。
フォートナイトの平均フレームレート(RTX3070) | |
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フルHD(1920×1080ドット) | |
エピック(最高画質) | |
高画質 | |
中画質 |
最高画質では平均127fpsで描画可能。すると平均フレームレートは203fpsという結果に。
ApexLegends
ApexLegendsのトレーニングモード/射撃演習場/デュオプレイで5分ほどマップを周回、フレームリミッターを解除し、垂直同期をオフにして、最高画質にて計測
Apex Legends平均フレームレート | |
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フルHD(1920×1080ドット) | |
トレーニングモード | |
射撃演習場 | |
デュオプレイ(実戦) |
実戦では平均で142fpsほどで描画可能。最低フレームレートは108fpsで非常に快適だ。
極端な画質調整を施さずとも,144Hzのパネル性能を活かせる。素晴らしい。
サイバーパンク2077
トリプルA級のビッグタイトルサイバーパンク2077ではフルHD解像度でレイトレーシングウルトラ/ウルトラにて計測。DLSSはバランス。
レイトレーシングは光の線を表現し、より明瞭な画を表現するNVIDIAのテクノロジーで、GPUパワーを要求する。
サイバーパンク2077の平均フレームレート | |
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フルHD(1920×1080ドット) | |
ウルトラレイトレ有DLSSバランス | |
ウルトラレイトレなしDLSSバランス |
画質ウルトラレイトレ有では59fpsだったので、レイトレはきったほうがよさそう。ステージによって変動がある可能性は否めないが、レイトレなしでは平均73fpsでプレイ可能。
サイバーパンク2077がこれほど快適に動作するのであれば、フルHDの環境下でレイトレーシングをオフにすればすべてのゲームタイトルを最高画質でプレイ可能といっていいだろう。
シャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダー
シャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダーのベンチマーク機能を使って、最高画質、高画質、中画質のプリセットを計測。
選択画質は「最高画質」「高画質」「中画質」。
シャドウオブザトゥームレイダーもPCゲームの中では重量級だが、最高画質で93fpsという結果に。最高画質でプレイしても快適にプレイできることが分かった。
ゲーム性能まとめ
ASUS TUF Gaming A17FA706QRに搭載される144Hzのパネル効果を活かしつつ、重量級ゲームも最高画質でプレイできる性能がある。
シューター系のゲームでは200fpsを突破させるのが厳しいため、外部モニターに出力するのであればASUS TUF Gaming A17FA706QRと同じく144Hzのものが望ましい。
Adobe Premiere Pro CC動画の書き出し速度検証
過去YouTubeにアップロード用に作成したプロジェクトの書き出し時間を測定しました。α7R4で撮影したフルHD動画をH264 YouTube1080Pプリセットで書き出し、その時間を検証するというもの。
Premiere ProCCは2021年3月22日時点の最新バージョンに更新、ハードウェアエンコーディングで実施しました。
- XAVC S FHD24P(50Mbps)
- 動画の長さ15分11秒
- テロップ/カット編集/画像挿入あり
- シーケンス設定は24fpsです。
機種 | 24fpsの書出し時間 |
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ROG Flow X13 | 2分1秒 |
ASUS TUF GAMING A17FA706QR | 2分12秒 |
ROG Strix SCAR 17 | 2分13秒 |
ASUS TUF DASH F15 | 2分22秒 |
ROG Flow X13(バッテリー動作) | 3分10秒 |
XPS 13(9310) | 6分25秒 |
弊ブログで毎度おなじみのYouTube動画の書出しでは、処理時間が2分12秒と非常に短い時間で書出しを終えることができた。ASUS TUF Gaming A17FA706QRはゲーミングノートPCとして販売されているが動画編集も快適に行える性能。
Lightroom Classic CCにてRAW現像時間を検証
Adobe Lightroom Classic CCにてα7Ⅱで撮影した24MPのRAWファイル100枚を一斉に書出し、その速度を検証しました。
LightroomClassic CC初期プリセットで画質を100に設定し、デスクトップへ書出し。結果は下記のとおり。
機種 | 書出し時間 |
---|---|
ROG Strix SCAR 17 | 1分26秒 |
ROG Flow X13 | 1分32秒 |
ROG Flow X13(バッテリー動作) | 1分35秒 |
ASUS TUF DASH F15 | 1分41秒 |
XPS 13(9310) | 1分37秒 |
ASUS TUF GAMING A17 | 1分55秒 |
RAW現像はCPUのシングルスレッド性能や搭載されているメモリの性能が関係してくるため、インテルCPUやRyzen 9 5900HXと比較して不利な結果に。
クリエイティブ性能まとめ
ASUS TUF Gaming A17FA706QRに搭載されるRTX3070が非常に高性能であるため、フルHDの動画編集は非常に快適に行えるだろう。
RAW現像など画像の処理においても快適な水準で、アイキャッチの作成からYouTubeなどにアップロードする動画編集用としても機能するノートPCだ。
ただし、クリエイティブ専用で購入するのであればインテル第10世代やRyzen 9搭載モデルを選択したほうが良いと思う。
デザインについて
ASUS TUF Gaming A17FA706QRは、黒を基調としてアクセントカラーにオレンジを用いたデザインが特徴的だ。
2021年モデルよりロゴを刷新し、シンプルなものに変更された。ASUS TUF Gaming A17FA706QRの天板は四隅に配置されたビス止め調のデザインで、素材が金属なので質実剛健感を表現している。
PC下部に見えるのは排気口で、17.3型の筐体の大きさを存分に活かした冷却性能が魅力。
底面部はハニカム構造の空気穴が、おそらくデザイン重視の吸気穴と思われるが、天面部から底面部まで世界観が統一されているので、外観が好みであれば非常におすすめできる。
底面部は樹脂素材でできている。
キーボード
キーボードはフルサイズスケールのテンキー付きのキーボードを採用。
WASDがクリアで、キーボード内部に搭載されているLEDで光らせられる。
キーの押し感は柔らかめで、ストロークは1.8mmほどで押しやすい。好みはわかれるかもしれないけれど、ゲームのプレイもしやすそう。
タッチパッドは独立ボタン採用で、標準的だ。マウスがあったほうがいいと思う。
モニターについて
モニターは144Hzのリフレッシュレートを採用したノングレアタイプのパネルを採用している。ノングレア=非光沢で光の映り込みがしづらく、視認性が高い。
17.3型くらいのサイズであれば、別途ゲーミングモニターを購入する必要がない点もグッド。
色域・トーンカーブ
キャリブレーションツールでトーンカーブを測定した結果上記の結果に。
赤が強めに出ており、おそらくゲーム用に調整されている。(ゲーミングモニターはなぜか赤っぽい)
色域はsRGBカバー率が62%程度。作業やゲームのプレイには最適だが、映像視聴やコンテンツ制作には不向きなので、色にこだわるのであれば別途モニターを購入したほうが良いだろう。
インターフェースについて
左側面
- DCジャック
- RJ45(有線LAN)
- HDMI
- USB3.2 (Type-A/Gen1)×2
- USB3.2 (Type-C/Gen2)
- オーディオコンボジャック
USB-Cはデータ転送と映像出力をサポートしているため、ASUS TUF Gaming A17FA706QRは1台でHDMIとUSB-Cから2つの外部モニターへ映像出力が可能だ。
- USB3.2 (Type-A/Gen1)×1
- ケンジントンロック
周辺機器との接続でまだ1つUSBのポートが余っている点が心強い。
PC内部の温度ファンの動作音
PC内部の温度
OCCTV8.0.1にてCPU使用率を100%にして計測。最高温度は82℃ほどで非常に安定していた。
この数値を見る限り、インテル第10世代のCPUを搭載した他社のゲーミングノートPCのほうが多少フレームレートがのびたとしてもRyzen搭載モデルがおすすめだ。
理由は、パフォーマンスの低下がおきづらいということと、PCの寿命に影響するから。
ファンの動作音
ちなみに、この時のファンの動作音は47dbを超える程度で騒音レベル。とはいえ、ハイエンドクラスのパーツを搭載したモデルでは50dbを超えるものもあり、騒音ではあるものの比較する静かな水準。
ASUS TUF GAMING A17FA706QRの評価とまとめ
良い点
- CPU、GPUの性能が高い
- 価格が安い
- 豊富なインターフェース
気になる点
- モニターの色域は狭い
高コスパなゲーミングノートPCを探している人におすすめ
ASUS TUF Gaming A17FA706QRは絶妙なバランスの構成で販売されるノートPCで、検証結果がそれをさらに決定づけた。
CPUとGPUはバランスの良いスペックで、シューター系のゲームから、重量級のゲームまですべてのゲームをフルHDの解像度で快適に遊べるスペック。動画編集などもいけるが、モニターの色域は標準的なので、外部ディスプレイを利用するとよいだろう。
致命的な欠点は見つからない代わりに圧倒的な長所もない、卒なくまとまった無難オブ無難なゲーミングノートに仕上がっている感じが。
最新のパーツを搭載しているにもかかわらず価格も安く、手に入れやすいため、コストパフォーマンスの高いゲーミングノートPCを検討している人はこのモデルがおすすめだ。
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR
公式サイトで確認なお、価格や仕様は変更となる恐れがあるため必ず公式ページにて確認を。
ASUSTek ゲーミングノートパソコン TUF Gaming A17 FA706QR(AMD Ryzen 7 5800H/16GB, 512GB/RTX 3070 Lapto...